杖の芯

前置き

魔法使いの杖は、魔力を制御しやすくし魔法の行使を容易にする道具である。杖は、杖を形作る木材と、その芯によって特性に傾向が出てくる。さらに、その材質も個体によって異なるのだから、杖も1つとして同じものはない、とされている。

「不死鳥の尾の羽根、ドラゴンの心臓の琴線。一角獣も、ドラゴンも、不死鳥もみなそれぞれに違うのじゃから、オリバンダーの杖には一つとして同じ杖はない。もちろん、他の魔法使いの杖を使っても、決して自分の杖ほどの力は出せないわけじゃ」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone

杖の芯

ギャリック・オリバンダーの私見

オリバンダーは長年のワンド・メーカーとしての経験から、自身の製作する杖に使用する素材をユニコーンの毛、ドラゴンの心臓の琴線 (heartstrings)、フェニックスの羽の3つに限っている。PottermoreのWand Coresの記事でそれが述べられており、翻訳して以下に示す。

私のキャリアの最初期には、杖職人であった私の父がケルピーの毛 (※下半身が魚なのであれば、おそらくたてがみのこと) のような良いとは言えない素材に苦闘しているのを見ていたため、次のような志を抱くようになった。家業を継ぐ頃には、最も質の良い芯の素材を発見しそれだけを使って仕事をしたいと。それは達成された。多くの実験と調査の結果、ユニコーンの毛、ドラゴンの心臓の琴線、フェニックスの羽の3つの素材だけがオリバンダーの名を冠するに値する品質の杖を作れるのだと私は結論付けた。どれも効果で希少な素材だがどれも独特な性質を持っている。以下はこの3つの最高級の素材に関しての私見を簡単に述べたものである。読者は次のことを心に留めておいてほしい。 杖は、杖の木材、芯、所有者の性質や経験の複合体である。各々の要素の性質は他の要素と打ち消しあったり補完しあったりする。そのためこの私見は非常に複雑な事象の、本当に一般的な概要でしかない。

Wand Cores – Pottermore より翻訳

ユニコーン

一般的に言って、ユニコーンの毛 (たてがみ、尾毛のどちらか、あるいは両方なのかは不明) は安定した魔法を使うことができ、魔力の揺らぎや妨害の影響を受けにくい。ユニコーンを芯に用いた杖は、最も闇の魔術に転向しにくいと一般に認識されている。この芯を用いた杖は全ての杖の中でも忠実な杖であり、最初の所有者が熟達した魔法使いであろうとそうでなかろうと、強いつながりを保ち続ける。

ユニコーンの毛がもつ小さな欠点として、非常に強力な杖にはなりえないということ (ただし杖の木材で補うことはできる)、使い方を大きく誤るとふさぎこみやすく、そうなるとこの毛は’死’に交換が必要になる、ということがある。

ドラゴン

概してドラゴンの心臓の琴線を用いた杖は極めて強力な杖になり、華々しい呪文を使うことができる。これを芯に用いた杖は他の杖よりも学習が早い傾向にある (※何の?)。 この杖は、本来の主人から勝ち取られた場合でも、忠誠の対象を変える。しかし一方で、現在の持ち主に対しては常に強いつながりを持つ。

これを芯に用いた杖は、闇の魔術に容易に転向する傾向にあるが、自ら進んでそうなる傾向にあるわけではない。この杖はこの3つの芯の素材の中で最も事故を起こしやすく、やや気まぐれである。

フェニックス

これは最も希少な芯である。フェニックスの羽を芯に用いた杖は、最も広い分野の魔法を扱うことができるが、ユニコーンやドラゴンのそれよりも長く時間がかかる (※何の?)。この杖は自立心が強く、自ら行動することがあり、この性質を多くの魔法使いが嫌っている。

フェニックスの羽の杖は、持ち主選びに際して選り好みをする。これは芯が由来するフェニックスが世界でも有数の独立心の強い孤高の生物だからだ。この杖は、慣らすことも、個人に合わせることも、忠誠を得ることも難しい。

Wand Cores – Pottermore より翻訳

北アメリカ大陸のワンド・メーカー

また、北アメリカ大陸でも有名なワンド・メーカーが存在し、これまた別の素材を芯としてよく用いている。(Pottermoreより)

サンダーバード

サンダーバードThunderbirdの尾羽はシコバ・ウルフというワンド・メーカーが芯としてよく使用した。木材との兼ね合いもあるが、彼の杖は、非常に強い魔力を持つものが多く、特に変身術に適性があったようだ。

ワンプス・キャット

ワンプス・キャットWampus catの毛も杖の芯として用いられる。これはジョハネス・ジョンカーが好んで用いた。性質は不明である。

ホワイト・リバー・モンスター

ホワイト・リバー・モンスターWhite River Monsterの脊椎骨はティアゴ・キンタナが芯として用いていた。この芯は力強く優雅な呪文を放つことができるとされている。

ルーガルー

ルーガルーRougarou(ルイジアナ州の沼に棲む、犬の頭を持った凶暴な怪物)の毛はヴィオレッタ・ボーヴェが用いていた。ボーヴェの杖は闇の魔術を求めるという噂があった。

その他

ケルピー

ケルピーの毛は、ギャリック・オリバンダーの父が芯として使用していたことがある。質が良いとは言えないらしい。その性質は不明である。

ヴィーラ

ギャリック・オリバンダーはヴィーラの髪の毛を用いた場合、気まぐれな杖となるため、自身では使用していない。

バジリスク

バジリスクの角 (horn) が杖の芯として用いられることがある。その性質は不明である。