姿現わし

概要

姿現わし・姿くらまし、あるいはアパリション・ディスアパリション (Apparition/Disapparition; 呪文は無い) とは、魔法使いが思い描いた場所へ瞬間移動するための魔法である。この魔法はそれなりに高度なもので大人でも使わない場合が多々あるが、パトローナス・チャームなどに比べれば一般的に用いられる魔法である。

通常魔法使いの住居には、姿現わしで無遠慮に中に入って来られないような対抗策が施されているようだ。また、姿現わし (姿くらまし) によって逃げられないように姿くらまし防止呪文 (Anti-Disapparition Jinx) などで拘束する例があることも知られている。ホグワーツの敷地内では姿現わしも姿くらましもできないようにされているようである。

またドビーなどのハウスエルフもこれに似た魔法を用いることがあるが、全く別系統の魔法である。

使用法

姿現わしの行使には、特に精神面でハイレベルなものが要求されるものの、内容自体は単純である。それは、魔法省からホグワーツに派遣されたインストラクターであるウィルキー・トワイクロス曰く’3つのD’、すなわち目的地、強い意志、慎重さ (Destination, Determination, Deliberation) の3つである。

姿現わしを試みる術者は、目的地を明確に心に浮かべ、その目的地に何としても行くという強い意志を滾らせ、急がず慌てずその場でターンをする必要がある。姿現わしは一般的な魔法と異なり呪文を唱えない (存在しない?) うえに、杖についても全く言及されていないが、そのかわりに身体の動作が指定されている。杖無しで姿現わしできるかどうかは不明である。

 「姿現わしで忘れてはならない重要なことは、3つの’D’です! (…) 目的地 (Destination)、強い意思 (Determination)、慎重さ (Deliberation) です!」
「ひとつ。目的地を、強くはっきりと心に思い浮かべること」 (…)
「ふたつ。 (…) 強い意志を、思い浮かべた空間へ向ける!なんとしてもそこに行くのだという意志が、体中の細胞一つ一つにまで行き渡るようにする!」 (…)
「みっつ。 (…) 私が号令をかけたそのときに……その場でターンする。無の中に入り込むように、慎重に!」

(…)

「ばらけ (Splinsching) とは体のパーツがランダムに分離することを言い、心が十分な強い意志を持っていなかったときに起こります。常に目的地に集中しながらターンする必要があります。ただし急がず慌てず、慎重に。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Half-Blood Prince

使用者

原作では多くの人物が姿現わしを行っている。

英国魔法省の方針上、使用者のほとんどが成人である。ただ、17歳の免許取得に向けての練習においては未成年者でも使用することができる。無免許で違法にも関わらず使用したケースとして、小説「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」においてスリザリン生のグラハム・モンタギューのものがある (その詳細は小説「ハリー・ポッターと謎のプリンス」で判明)。

難易度

姿現わしは難しい魔法ではあるが、その難易度はマスタークラスというほどではない。希望者に対してのみというスタンスではあるものの、成人時の取得に向けてホグワーツであらかじめ魔法省からインストラクターを招聘して講習を受けさせるぐらいの水準であるようだ。

Apparition and Disapparition
姿現わし (アパリションApparition) は魔法による瞬間移動術だが、マスタークラスの術というわけではない。(…) きちんと行うにはかなり厄介で、失敗してしまった場合は血を見る可能性もある。そのためにこの魔法を使うためには17歳になって魔法運輸部 (Department of Magical Transportation) から免許を取得しなければならない。 (…)
アパリションは、精神面においてハイレベルな技術を求められる難しい魔法である。 (…) 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」におけるアパリションのインストラクターであるウィルキー・トワイクロスWilkie Twycrossはこの魔法を3つのDに例えた: ‘Destination, Determination, Deliberation’. もし2つの場所を思い浮かべてしまったら、体が2つにばらける (Splinching) ことになる。 (…)

The hardest wizarding world spells – Pottermore

ハリーは”姿現わし”が難しい術だという事は知っていた。ある場所から姿を消してそのすぐ後に別な場所に現れる術だ。
(…)
「この間も、無免許で”姿現わし”術を使った魔法使い二人に、”魔法運輸部”が罰金を科した。そう簡単じゃないんだよ、”姿現わし”は。きちんとやらないと、厄介な事になりかねない。この二人は術を使ったはいいが、バラけてしまった (…) しかし、相当の罰金だ。(…) 大の大人でも、使わない魔法使いが大勢いる。箒の方がいいってね。遅いが、安全だ」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Fire of the Goblet

それでも魔法界で大人でも使用者が少ない難しい魔法と認識されているのは、この「ばらけ」によるところが大であるようだ。閉心術のようなマスタークラスの難易度の魔法は失敗したとしてもただそれだけで済むが、姿現わしを失敗した場合は、身体の分離という厄介な現象が起こる。こうなってしまうと自分自身で元通りにすることは難しく、状況によっては死にかけることもある。そのため、「成功することもある、それなりに成功する」というレベルではなく「一度のミスもなく成功し続けられる」レベルでなければならないことがこの魔法の難易度を上げていると思われる。