ハーマイオニー・グレンジャーの年齢のズレについて

前置き

ハーマイオニー・グレンジャーは1979年9月19日生まれの魔女であり、1991年9月1日にホグワーツHogwarts School of Witchcraft and Wizardryに入学した。在学中には、小説ハリー・ポッターと秘密の部屋においてバジリスクに襲われ石化したり、小説ハリー・ポッターとアズカバンの囚人において全科目履修のためにタイム・ターナーを用いたりするなど、暦上の年齢と実際の肉体年齢が乖離する出来事を体験している。この記事ではその期間を推定し、どれほどのずれが生じているかを考える。

生じたずれの推定

ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハーマイオニーはレイブンクローの監督生ペネロピー・クリアウォーターと共に、曲がり角の先に居たバジリスクの瞳を手鏡越しに見たため即死は免れたものの石化してしまった。この時期は、作中の描写から推測するとイースター休暇より後の出来事であったようである。

復活祭の休暇中に、二年生は新しい課題を与えられた。三年生で選択する科目を決める時期が来たのだ。少なくともハーマイオニーにとっては、これは非常に深刻な問題だった。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Chamber of Secrets

このあと、しばらく (何日かは不明) クィディッチの練習に関する描写が入り、トム・リドルの日記の盗難が起こった後、ハッフルパフとの試合になる。この1993年のイースターは4月11日で、少なくとも1週間以上は休暇があるようである。

そして、マンドレイクが完成したのは学期末試験より3日前で、この日にバジリスクが殺された。

授業が始まって十分もたったころ、マクゴナガル先生が、一週間後の六月一日から期末試験が始まると発表したのだ。 (…) 最初のテストの三日前、朝食の席で、マクゴナガル先生がまた発表があると言った。 (…) 「スプラウト先生のお話では、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。 (…) 」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Chamber of Secrets

その日は5月28日である。

従ってハーマイオニーが石化していたのは1993年4月18-25日から1993年5月28日の1ヶ月と1週間ほどの間である。

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

ハーマイオニーはミネルヴァ・マクゴナガル先生を通して魔法省から特別許可を貰い、タイム・ターナーを使用している。これによってハーマイオニーが取得している授業は全12科目、

  1. 闇の魔術に対する防衛術Defence Against the Dark Arts
  2. 呪文学Charms
  3. 魔法薬学Potions
  4. 変身術Transfiguration
  5. 薬草学Herbology
  6. 天文学Astronomy
  7. 魔法史History of Magic
  8. 古代ルーン学Study of Ancient Runes
  9. 数秘術 (アリスマンシー) Arithmancy
  10. マグル学Muggle Studies
  11. 魔法生物飼育学Care of Magical Creatures
  12. 占い学Divination

になる。これらのうち途中履修放棄したものは占い学のみで、それもイースター休暇直前までは出席していた。1994年のイースターは4月3日である。マグル学も第3学年の期末試験を終えてから履修するのを止めた。では、どれほどこれらの授業が重複していたかだが、小説中には以下の記述がある。

「今朝、ハーマイオニーが『数占い』のベクトル先生と話してるのを開いちゃったんだ。昨日の授業のことを話してるのさ。だけど、ハーマイオニーは昨日その授業に出られるはずないよ。だって、僕たちと一緒に『魔法生物飼育学』にいたんだから。それに、アーニー・マクミランが言ってたけど、『マグル学』のクラスも休んだことがないって。だけど、そのうち半分は『占い学』とおんなじ時間なんだぜ。こっちも皆勤じゃないか!」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

ホグワーツの時間割は、1時限 (45分~60分) が基本単位だが、映画ハリー・ポッターの時間割の資料を見る限り厳密には定まっていない。そして土曜日も授業日であり、1日に4つの授業がある。ただし、水曜日と土曜日は3つまでで、3時間行う授業がある、水曜はさらに夜中に天文学があるなど特殊なスケジュールになっている。

1993年9月1日から1994年4月2日まで214日あり、日曜日は30日、休暇を考えなければ授業日は184日ある。休暇はクリスマス休暇がある。少なくとも32, 33回は各曜日の授業がある。

上で引用したロナルド・ウィーズリーの台詞によると、選択授業は多くは同一の時間に割り当てられているようである。また、少なくとも1週間のうちに1科目2授業以上存在するようである。

月曜になって、ハリーは学校のざわめきの中に戻った。 (…) つぎの魔法薬の授業中はほとんどずっと、マルフォイは地下牢教室のむこうで吸魂鬼のまねをしていた。 (…) 「『闇の魔術に対する防衛術』を教えてるのがスネイプなら、僕、病欠するからね」昼食後にルーピンのクラスに向かいながら、ロンが言った。

(…)

マルフォイは木曜日の昼近くまで現われず、スリザリンとグリフィンドール合同の魔法薬学の授業が半分ほど終わったころに姿を見せた。

(…)

「もう『呪文学』の時間だ。早く行かないと」ロンはまだハーマイオニーをしげしげと眺めながら促した。三人は急いで大理石の階段を上り、フリットウィック先生の教室に向かった。 (…) 二人は (…) 談話室に入った。ハーマイオニーはテーブルに「数占い学」の教科書を開き、その上に頭を載せて、ぐっすり眠り込んでいた。二人はハーマイオニーの両側に腰かけ、ハリーがそっと突ついてハーマイオニーを起こした。「どうしたの?」ハーマイオニーは驚いて目を覚まし、あたりをキョロキョロと見回した。「もう、クラスに行く時間?今度は、なんの授業だっけ?」「『占い学』だ。でもあと二十分あるよ。ハーマイオニー、どうして『呪文学』に来なかったの?」

(…)

ハーマイオニーは隅の方に座って分厚い本を読もうとしていた。本の題は「イギリスにおける、マグルの家庭生活と社会的慣習」だ。 (…) 「でも私、これを月曜までに読まないといけないの。」

(…)

(※試験日程) 月曜日 九時 数占い 九時 変身術 ランチ 一時 呪文学 一時 古代ルーン語

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

仮に2つの科目が被っていて、さらにそれぞれの半分の時間が重複しているのであれば、およそ30週×2科目×週2授業×1/2×2時限×1時間の、120時間ほどを他の生徒よりも多く過ごしていることになる。仮にもっと多くの授業が重複しているとしてこれの3倍を考えてみても360時間であり、15日程度にしかならない。

イースター後の残りの学期も1994年4月10日から6月3日 (日付は概算するための適当なもの) では55日あり、うち日曜日は8日である。マグル学だけで考えると約14時間である。

従って、シリウス・ブラックの手助けの3時間を計算に入れると、ハリー・ポッターとアズカバンの囚人においてハーマイオニーが余分に過ごした時間は137時間~405時間 (5.7日~16.9日) である。

結論

以上の結果をあわせて考えると、ハーマイオニーは1991年9月1日の入学から1994年6月の学期末試験終了までに、概算で17日~35日ほど年を取っていないことになる (石化中は老化しないと考えられる場合)。