ハリー・ポッター・シリーズにおける魔法の難易度に関わる要素の考察

前置き

ハリー・ポッター・シリーズの世界では、様々な魔法が登場する。ハリー・ポッターら登場人物達はホグワーツ魔法学校その他の機関・媒体を通して魔法を学んでいく。しかしこの世界では、作中に登場する魔法を必ずしも全て習得できるというわけではないようである。登場人物によって、効果を発揮しないほど苦手な魔法や、無言呪文で行使可能なほど得意な魔法など、その習得の度合いに差がある。ここでは、どのような要素がその差に関わっているのかを、原作の記述を抜粋して考察する。

考察

引用する文章が多少あるため、先に考察に入る。根拠となるソースとその解釈を見たい場合はこの次のセクションを引き続き見ていただきたい。

原作の記述をまとめると、魔法を使う際には、

  1. 集中力
  2. 意志
  3. 呪文の発音の正確さ
  4. 魔力を伝える道具として杖を用いる場合は
    1. 杖の忠誠心の有無
    2. 杖の動き
    3. 杖の性質
      1. 木材
要素要否備考
集中力必須
意志
呪文の正確な発音無言呪文の場合は心の中で
魔力詳細は不明
杖の忠誠心任意杖を用いる場合
杖の動き
杖の芯の性質
杖の木材の性質

といった要素が絡んでくる。

魔法の行使の成功・失敗とは

そもそも魔法を使用するということは、方向性を持たない荒れ狂う力である魔力をコントロールし、方向性を持たせ、十分な強度でもって、対象に伝えて、意図した結果を引き起こすということである。従って、魔法を失敗することとは、何も効果を発揮しないか、意図した通りの、あるいは期待される効果とは方向性が異なるものが現れたことを指すと言える。

魔法の行使においては、しばしばprecise (正確な), powerful (強力な) といった形容がされる (ワンドレス・マジックの項を参照)。正確な魔法とは意図した方向性の結果を引き起こすということであり、強力な魔法とはその方向性の効果の強度が十分であるということを示すと考えられる。

例えばエクスペリアームスであれば、DAの練習風景が参考になる。正しい方向性とは相手の武器を弾き飛ばすことであり、火花を散らすことではない 。そして十分な強度とは、相手の武器を弾き飛ばすほどの力が作用することであり、2、3歩後ずさりする程度のことではない。

集中力と意志

魔法使いが荒れ狂う魔力に正しい方向性を持たせるためには、魔法使いのイメージが必要である。複雑な魔法ほど、それを明確に強く思い描くことが難しくなるため、高い集中力とそれを実現する強い意志が必要である。これが魔法の難易度に関わってくると言える。

呪文

不正確な発音による呪文は方向性の異なる結果を、発声できなかった呪文は弱い効果を発揮するようである。無言呪文というスキルが存在し、呪文の発声は絶対に必要というわけではないものの、それでも頭の中で呪文を唱える必要がある (参考:無言呪文の難易度と効果について)。少なくとも魔法の効果については、

有言呪文≧無言呪文> (論外) > 不正確な呪文

であろう。不正確な発音だと見当違いの結果が引き起こされることから、単に言葉にすることで意識が向いたり集中できたりする、という効果にとどまらないことは確かである。もしそうであれば、術者がその発音を正しいものと思い込んでいれば不正確でも構わないはずだからである。 (関連記事: 呪文はその呪文 (言葉) でなければならないのか(予定))

呪文は発声するだけで無言呪文に要する集中力と意志を補うことが可能なため、魔法の難易度を下げることのできる技術とみることもできる。いずれにせよ、長かったり発音しにくい魔法は難易度に影響があるだろう。

杖も魔法の難易度に大きく関与している。杖は魔力のコントロールに大変役立つため、魔法の行使の難易度を大幅に引き下げる。裏を返せばこのことは、魔法の発動という点だけを考えれば、杖は絶対に必要というわけではない (ワンドレス・マジック) ということを示している。

杖はそれを構成する材質によって異なった特性があり、特定の種類の魔法や術者に影響を与える。その材質に向いている魔法であれば難易度は易しくなるであろうし、その逆も有り得る。また、忠誠を得ていない杖では、魔法を使うことはできるものの、最良の結果を得られないとされている。

原作の記述と解釈

1. 集中力

魔法の行使において、最も影響を与えるものは「集中力」であるようだ。

アクシオの例

まず、アクシオを例にしてみると、集中力の不足がアクシオの効力に影響を与えていることがわかる。通常、対象の物体は術者のもとへ飛んでくるのだが、この例では途中で力尽きたように落下している。この後の第一の課題で本当に集中して唱えたところ、遠く離れた場所からの呼び寄せに成功している。

昼食を抜いて空いている教室に行きハリーは全力を振り絞り、色々な物を教室の向こうから自分のほうへと飛ばして見せた。まだうまくいかなかった。本や羽根ペンが部屋を飛ぶ途中で腰砕けになり石が落ちるように床に落ちた。
「集中して、ハリー、集中して」
「これでも集中してるんだ。なぜだか、頭の中に恐ろしい大ドラゴンがポンポン飛び出してくるんだ。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Goblet of Fire

シレンシオの例

次の例はシレンシオの練習風景である。通常であれば対象の声を封じるはずである。しかし、アクシオの例とは異なり、対象を黙らせる効果が弱まるわけでもなく、方向性が異なる効果が現われている。

ハリーはあまり気持を集中せずに杖を振った。ウシガエルが膨れ上がって緑の風船のようになり、ピーピーと高い声を出した。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

酢をワインに変える魔法の例

次の例は、酢をワインに変えるという呪文学の授業であった。無言呪文であるため具体的な呪文は不明であるが、ハリー・ポッターの場合は、対象を変化させたものの意図したものとは異なり、ロン・ウィーズリーの場合は、見当違いの方向の効果が現われている。

「おしゃべりを減らして、行動を増やす……先生にやって見せてごらん……」 二人は一緒に杖を上げ、念力を集中させてフラスコに杖を向けた。ハリーの酢は氷に変わり、ロンのフラスコは爆発した。

Rowling, J.K.. – Harry Potter and the Half-Blood Prince

リディクラスの例

次の例は、ボガート退治の風景である。ネビル・ロングボトムへの指導では、リディクラスの呪文を唱える際には、対象を変化させるイメージに集中しなければならないことが示されている。

「そうしたら、君は杖をあげて叫ぶんだ。『リディクラス!』そして、君のおばあさんの服装に精神を集中させる。すべてうまくいけば、ボガートのスネイプ先生は (…)」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

エクスペクト・パトローナムの例

次にエクスペクト・パトローナムの呪文の練習風景を例として見てみる。この呪文は幸福な記憶を必要としているが、それに強く集中する必要があることも示されている。うまく集中できなかった場合は、その他の呪文と同様に効果が弱まると思われる。しかし、この場合集中のしやすさは選んだ思い出の幸福具合にも影響を受けるようであるため、集中力だけの問題というわけではない。

「『守護霊の呪文』と呼ばれるものだ (…) 呪文がうまく効けば、守護霊が出てくる。 (…) 一番幸せだった想い出を、渾身の力で思いつめたときに、初めてその呪文が効く」
(…)
「幸せな想い出に神経を集中してるかい?」 (…) ハリーは飛ぶことに心を集中させようとした。しかし、何か別のものがしつこく入り込んでくる――
(…)
「別な想い出を選んだ方がいいかもしれない。つまり、気持を集中できるような幸福なものを……さっきのは十分な強さじゃなかったようだ……」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Prisoner of Azkaban

姿現わしの例

次に姿現わしの例を見てみると、この魔法においても特に集中力が必要とされることが示されている。1つの目的地に集中できなかった場合、体が複数の地点に出現する危険性がある。

「’ばらけ’とは体のパーツがランダムに分離することを言い、心が十分な強い意志を持っていなかったときに起こります。常に目的地に集中しながらターンする必要があります。ただし急がず慌てず、慎重に。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Half-Blood Prince

2. 意志

呪文はその効果を発揮するために特定の精神状態を持たなければならないものがある。

エクスペクト・パトローナムの例

たとえば先に挙げたハリー・ポッターのエクスペクト・パトローナムの練習風景、そしてネビル・ロングボトムの同呪文の練習風景では、「十分強い幸福な記憶」を思い浮かべていなかったために効果が弱まっていることが描写されている。

ネビルも苦労していた。顔を歪めて集中しても、杖先からは細い銀色の煙がヒョロヒョロと出てきただけだった。「何か幸福なことを思い浮かべないといけないんだよ」ハリーが指導した。

Rowling, J.K.. – Harry Potter and the Order of the Phoenix

許されざる呪文の例

また、ハリー・ポッターがクルーシオやインペリオの呪文を試みた例では、ベラトリックス・レストレンジが言及したように、相手を苦しめること (服従の呪文の場合は、相手を操ること?) を本気で望む意志が必要があり、そうでなければ効果が弱まることが示されている。

「本気になる必要があるんだ、ポッター! 苦しめようと本気でそう思わなきゃ――それを楽しまなくちゃ――まっとうな怒りじゃ、そう長くは私を苦しめられないよ。」

Rowling,J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

「僕は、十分強く呪文をかけられなかったかもしれない。わからないけど……」そのとき、また別の思い出がハリーの脳裏をかすめた。ハリーが初めて「許されざる呪文」を使おうとしたときに、本物のベラトリックス・レストレンジが甲高く叫んだ声だ。「本気になる必要があるんだ、ポッター!」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Deathly Hallows

アクシオ、姿現わしの例

1.で例として挙げたアクシオや姿現わしも、それが必要という気持ち、何としてもその目的地にいかなければならないという強い意志を必要とすることが描写されている。

ハリーはこんなに集中したことはないと思われるほど真剣に、目的地を念じた。ホグズミードだ。目を閉じ、ダンブルドアの腕をしっかり握り、ハリーは押しつぶされるような恐ろしい感覚の中に踏み入った。目を開ける前から、ハリーは成功したと思った。

Rowling, J.K.. – Harry Potter and the Half-Blood Prince

無言呪文の例

1.の集中力、そして2. の意志が魔法を行使するうえで重要な要素であることは、呪文を唱えることなく魔法を行使する無言呪文にはこれらを必要とすることからも明らかである。

「呪文を声高に唱えることなく魔法を使う段階に進んだ者は、呪文をかける際、驚きという要素の利点を得る。言うまでもなく、すべての魔法使いが使える術ではない。集中力と意思力 (concentration and mind power) の問題であり、こうした力は、諸君の何人かに (…) 欠如している」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Half-Blood Prince

3. 呪文の正確な発音

無言呪文という概念が存在するものの、ハリー・ポッターの世界では大人でも度々呪文を唱えている描写が存在し、そして呪文を正確に発音することが、意図した通りの魔法の発動に必要であることがしばしば強調され、描写されている。

ウィンガーディアム・レビオーサの例

例えば、ウィンガーディアム・レヴィオーサの呪文の授業においては、発音の重要性と、実際に発音が誤っていることによって、魔法が発動しない描写が為されている。

「呪文を正確に、これもまた大切ですよ。覚えてますね、あの魔法使いバルッフィオは、『f』でなく『s』の発音をしたため、気がついたら、自分が床に寝転んでバッファローが自分の胸に乗っかっていましたね 」(…)
「言い方がまちがってるわ。ウィン、ガー・ディアムレヴィ・オーサ。『ガー』と長ーくきれいに言わなくちゃ」 (…)
「ウィンガーディアムレヴィオーサ!」
すると、羽は机を離れ、頭上一・二メートルぐらいの所に浮いたではないか。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone

エクスペリアームスの例

また、次の例では、エクスペリアームスの呪文の発音を誤ったために、効果が発揮されないのではなく、見当違いの結果が引き起こされている。

「エクスペリメリウス!――あ、マリエッタ、ごめん!」 巻き毛の友達の袖に火が点いた。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

無言呪文と思われる魔法の例

さらに次の例では、呪文を発声できなかったことによって魔法の効力が弱まるというケースが描写されている。

ハーマイオニーはちょっと痛そうに、手を肋骨に当てた。ドロホフがハーマイオニーにかけた呪いは、声を出して呪文を唱えられなかったので効果が弱められはしたが、それでも、マダム・ポンフリーによれば、「当分おつき合いいただくには十分の損傷」だった。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

ただしこのケースでは、呪文を発声しなかったことと効果が弱まったことの間に直接因果関係があるのか、それとも呪文を唱えられなかったことにより集中できなかった結果効果が弱まったのか、どちらかは判断できない。もし前者であったのならば、どれほどの熟練者でも無言呪文の場合は有言呪文より効果が弱まるということを意味し、後者であれば集中力に問題がなければ無言呪文と有言呪文の効果に差は生まれないということを意味する。

4. 杖の要素

ワンドレス・マジックからの推測

Pottermoreにおいて以下のような記述がある。

魔力は、まるで炎のように、荒れ狂い、混沌とした激しく変化するものである。そのため、ウィザードは魔力を伝える際に杖を使う。 (杖無しで) 魔力を制御するためには、最高級の技術と熟練を要する。ワンドレス・マジックは、地震の中、手放しで自転車に乗るようなものである。

Pottermore – The hardest wizarding world spells (訳)

これに基づくと、本質的には魔法の行使に杖は必要ないと言える。しかし、それは非常に難易度の高いこととされている。

それに関連してJ. K. R.はTwitter上で以下のTweetからはじまる会話を行っている。

関連事項を、抜粋及び翻訳すると以下のようになる。

J.K. Rowling: はい、ほとんど全てのウィザードが杖を使っています。より簡単に魔力を導くことができるからです。ワンドレス・マジック (杖無し魔法) は高度で才能を必要とします。

Molly Cook: では箒についても同じことが言えるのでしょうか?高度なウィザードは飛ぶのに箒を必要としない?

J.K. Rowling: その通りです。杖や箒はchannel magicのためのツールです。最高級の才能をもつウィザードはそれらを必要としません。

o0MRG0o: 不必要なのに、その才能あるウィザードは杖の使用にメリットを感じるのですか?

J.K. Rowling: はい、多くのウィザードはcorrect wandを用いてより精度 (precise) の高い魔法を行使します。このため杖は広く用いられているのです。

このTweetsとPottermoreの記述から、魔法を使うということは、魔力を制御し意図した方向性の効果を引き起こすということであることが読み取れる。そして、杖はそれを大きく押し下げるのに役立つツールであり、そのために広く用いられているということも示されている。

4.1. 杖の忠誠心

オリバンダーの解説

「でも、杖に選ばれなかったとしても、その杖を使うことってできるのですか?」ハリーが言った。「ああ、できますとも。いやしくも魔法使いなら、ほとんどどんな道具を通してでも魔法の力を伝えることはできる。しかし最高の結果は必ず、魔法使いと杖との相性がいちばん強いときに得られるはずじゃ。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Deathly Hallows

杖の術においては、杖は持ち主を選び、それに忠誠心をもっているときに魔法は最良の結果が得られると考える。ときとして杖の忠誠心が他者に移ることもある。忠誠心をもたない杖を通して魔法を使うことはできるが、良い結果が得られないと術者が感じるケースは多々描写されている。

忠誠心を得ていないリンボクの杖の例

例えば小説「ハリー・ポッターと死の秘宝」では、ハリー・ポッターが忠誠心を得ていない杖の扱いに苦労している描写がある。

「ごめん――レデュシオ 縮め」 クモは縮まない。ハリーは、あらためてリンボクの杖を見た。その日に試してみた簡単な呪文のどれもが、不死鳥の杖に比べて効きが弱いような気がした。新しい杖は、出しゃばりで違和感があった。自分の腕に、誰かほかの人の手を縫いつけたようだった。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Deathly Hallows

これに対して、ドラコ・マルフォイから奪ったことにより、忠誠心が移った杖は十分扱えている。ハーマイオニー・グレンジャーも、ベラトリックス・レストレンジの杖を用いる場面では杖の忠誠心を得ていないため違和感を覚え、思い通りに魔法が使えないと感じていた。

エルダー・ワンドのケース

ヴォルデモートがエルダー・ワンドを手に入れたとき、杖の忠誠心は得ていなかった。それでも通常の杖と大差ない働きをみせたが、エルダー・ワンドの忠誠心を得ていたハリー・ポッターに対しては、アバダ・ケダブラ、クルーシオ、アバダ・ケダブラの3回魔法を行使したが、いずれも効果を発揮しなかった。

4.2. 杖の動き

また、魔法の行使には、正確な杖の動きも必要とされるようである。原作小説においては杖の動きの描写は少ないものの、呪文学の授業などで杖の動かし方によって魔法が発動するかどうかが変わってくるということが読み取れる描写が存在する。

ウィンガーディアム・レビオーサ、シレンシオの例

「さあ、今まで練習してきたしなやかな手首の動かし方を思い出して。(…) ハリーもシェーマスもビューン、ヒョイ、とやったのに、空中高く浮くはずの羽は机の上にはりついたままだ。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone

「シレンシオ!」カラスはますますやかましく鳴いた。「あなたの杖の動かし方が問題よ」批判的な目でロンを観察しながら、ハーマイオニーが言った。「そんなふうに振るんじゃなくて、鋭く突くって感じなの」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

Wonderbookなどその他媒体における設定

また、Wonderbook: Book of Spellsでは、登場するほとんどの呪文に杖の動かし方が設定されている。しかし、映画版ハリー・ポッター・シリーズと一致しない設定も多い。特に映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」においても、杖の動かし方の描写に整合性がとられているようには見えない。

4.3. 杖の性質

Pottermoreによれば杖に用いる材質によって、行使する魔法や持ち主への向き不向きがあるという。それに従えば、特定の呪文の難易度に影響があると言える。材質についてのリストは長くなるため、詳しくは杖の芯、杖の木材を参照していただきたい。

不明な要素

制御されていない魔力の例

おそらく、幼少期のウィザードが示すような、感情の爆発による方向性も意志も伴わない、制御されていない魔力が放出された結果であると思われる。

シェーマスがかんしゃくを起こして、杖で羽を小突いて火をつけてしまったので、ハリーは帽子で火を消すはめになった。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone

魔力という要素の例

これも原作においてよく説明されてはいないが、魔力という要素が関わるという描写がいくつかなされている。単純に意志と集中力というセンスの問題ではなく、魔力という資質が関わってくるとすればそれは重要な設定である。これはスクイブの設定とも関わってくる可能性がある。

「”アバダケダブラ”の呪いの裏には、強力な魔力が必要だ。お前たちがこぞって杖を取り出し、わしに向けてこの呪文を唱えたところで、わしに鼻血さえ出させる事ができるものか。」

‘Avada Kedavra’s a curse that needs a powerful bit of magic behind it – you could all get your wands out now and point them at me and say the words, and I doubt I’d get so much as a nose-bleed.

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Goblet of Fire

エクスペリアームスの例

これも集中力か意志、あるいは不正確な発音や杖の動きをした場合の描写だと思われる。この場合、弱い効果しか得られなかったことが示されている。

周りをざっと見ると、基本から始めるべきだという考えが正しかったことがわかった。お粗末な呪文が飛び交っていた。相手をまったく武装解除できず、弱い呪文が通り過ぎるときに、相手を二、三歩後ろに跳び退かせるとか、顔をしかめさせるだけの例が多かった。

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

難易度に言及があった箇所

The hardest wizarding world spells

Pottermoreの記事では、パトローナス・チャーム (特に形を持った守護霊)、無言呪文ワンドレス・マジック (杖無し魔法・杖無し呪文)、閉心術、飛行魔法、ホークラックスの作成が非常に高度な魔法として挙げられている。アパリション (姿現わし) は難度が高いものの、上述した魔法程ではないとされている。それでもここに挙げられているのは、失敗した際流血や行動不能になるリスクが伴うからである。

魔法の能力に対する一般的な認識の例

ハグリッドは、ヴィンディクタス・ヴェリディアン著「呪いのかけ方、解き方」を読み耽っているハリーを、引きずるようにして連れ出さなければならなかった。
「僕、どうやってダドリーに呪いをかけたらいいか調べてたんだよ」
「(…) それにな、呪いなんておまえさんにはまだどれも無理だ。そのレベルになるにはもっとたくさん勉強せんとな」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Philosopher’s Stone

勉強が何を意味するかは不明だが、少なくとも、因果関係はともかく年齢を重ねればより高度な魔法を行使できるようになるという認識が一般的なようである。

変身術の難易度・自分自身を強化する呪文の難易度について

「問題は、先の本にも書いてあったように、ドラゴンの皮を貫くものがほとんどないって事なのよ。変身させてみたらどうかしら。でもあんなに大きいと、あんまり望みは無いわね。マクゴナガル先生でさえダメかも。もっとも、自分自身に呪文をかけるっていう手があるじゃない?自分にもっと力を与えるのはどう?だけど、そういうのは簡単な呪文じゃないわね。つまり、まだそういうのは授業で一つも習ってないもの。わたしはO. W. Lの模擬試験をやってみたから、そういうのがあるって知ってるだけ」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Goblet of Fire

ハリー・ポッター・シリーズでは意外と目にすることのない、自分自身を強化する呪文について言及している箇所である。他にもあるとすれば、魔女狩りにおける火刑を凌ぐために自分自身にかけたFlame-Freezing Charm、自分自身への変身術などである。しかし、今のところ身体強化や視力強化など、近年の一般的なファンタジー小説に出てくるような魔法は今のところ確認されていない。そのため、かなり難易度が高いことが想定される。

変幻自在術の難易度について

「君、『変幻自在術』が使えるの?」テリー・ブートが言った。 「ええ」ハーマイオニーが答えた。「だって、それ……それ、N. E. W. T. 試験レベルだぜ。」

Rowling, J.K.. Harry Potter and the Order of the Phoenix

ハーマイオニーがDAの連絡網に利用していた金貨を製作するために使われてた魔法である。他にはドラコ・マルフォイもこれを使用していた。また、デス・イーターの連絡にもこれが使われていた可能性がある。いずれも高学年かつ有力な魔法使いの仕事であり、難易度が高いことが伺える。